05/01/2020

人は風邪になった時に、薬を飲んで楽になると、まだまだ今日はいけるなと思って、クイックルワイパーを乾拭きとワックス両方やってしまう事がある。 問題は綺麗になった床の上で、ダージリンを飲みながら、そこにウィスキーを垂らしてみてはどうなのかって話…

アンダーグラウンド/エミール・クストリッツァー

月は真昼に照り 太陽は真夜中に輝く 真昼の暗黒を 誰も知らない 太陽の輝きを誰も知らない

29/12/2019

今日で色々と終いにする。 幸せが誰にも訪れて 溜息の数が減って 世の中に木がたくさん生まれて 滞りなく酒が内臓を洗って 音楽が鳴り止まず 何かに闘い疲れた後にも 何も無かったよ、と言えますように。 さよなら

20/10/2019

僕はそんなに頭が良い人間では無いから、難しい話は好みじゃない。 先日、女性に「お家にビジネス書とか有ります?お薦めのものとか」と聞かれて、読んだ事が無いと答えた。 ビジネス書を読むし、音楽評論も眺めながら、哲学書を漁る向上心の申し子みたいな…

19/10/2019

2008年。学生時代からの恋人が冬の始まりに去った頃、僕はインジェクション車の後期型ローバーミニを買った。 荷物になる様な家財は全て捨て、200本程度のビデオ映画のほとんどは友人の手に渡ったのだけれど、アンジェイ・ワイダのビデオを数本、ポーキー・…

15/10/2019

僕の家のバスルームで、Aが下を向いたまま立ち尽くしていた。 パーティーの最中だったのに、そこは空気の音も絶えている。 BもCも、僕も、彼の背中を少し離れた地点から眺めていた。 近付いてはいけないとみんな分かっていたからだ。 Aの足下は真っ赤に染ま…

Nの場合

高校生の頃、僕は一人暮らしだった。けれど、あまり一人で家に居た記憶はない。家にはよくNが居た。Nがどうして僕の家に居続けるのか分からなかったけれど、彼女はいつも料理をしていた。2人分だったり、僕だけの分を作っていた。 Nの青写真はそこそこ優等な…

27/11/2001 序

倉庫となった古本屋に居た。 広い倉庫の2階に梯子を使ってたどり着いた。 本当は2階を散策してから1階へ戻り、僕が気に入る様な小説を探すつもりだった。梯子の上、2階には海外小説が並び、下の階には日本小説が犇いていて、求めていた物は、梯子の下にある…

Kの話

ふとKの事を思い出した。Kについて覚えている事は多くない。直ぐに思い出せたのも彼女の左胸と目くらい。この数日の間、彼女の名前が気になっている。 真昼間から大体はベッドの上に居た。「どうして左の胸が大きいの?」と聞くと、Kは「分からないけど、心…

5/10/2019

「愛する人がいて、愛される人がいて、どちらかと言えば貴方は後者ですよ。貴方が誰かを愛していると言っても、きっと相手は貴方よりも自分の方が愛しているのだと感じているはずです。 自分の方が愛していると考える人は、それをずっと絶やさず示し続けなく…

Iの場合

「なぁ、LoB。人生で最も大事なものは何だかわかるか?生きる為に必要なのは1つなんだよ」 「なんですかね。人の意見も聞くことですかね。僕が考えている事は、他の人だと全く違う視点や意見があるかもしれない。それを鵜呑みにするわけじゃないですが、色…

22/5/2019

ヴィンセント・ギャロが監督・主演を務める「ブラウン・バニー」という映画がある。物議を醸した作品(ギャロの、元カノが彼にフェ ラ ガモするシーンのこと)なのだけど、どちらかといえば面白いのはサウンドトラックだったりする。 ヴィンセント・ギャロは、…

Bijoux

キラキラしていると思った。 ずっと不思議そうに見ていたら、母が僕に「どうしたの?」と聞いた。 キラキラしたものがあると言うと、母は一つ一つ、説明してくれた。 「赤いのはルビー、青いのはサファイヤ、緑色はエメラルド、黄色のがトパーズ。キラキラし…

Hの話

「ああ、やっと進んだんだな」と思った。けれど、Hには何も言わなかった。そして、僕はHを見送る。 誰だって幸せになって良いし、相手を幸せにしようとすることは悪い事じゃない。ただ、それが僕等の間では完成しなかった。悪い病気みたいなもので、どうして…

Nの場合

賭博場の片隅。 赤い水溜りが映えた。 小柄な男が突っ立っている。 真冬の雨が彼の体に重なって、足元には見知らぬ男の身体が寝そべっていた。 赤く染まった物体を見つめ、男は小さな身体を震わせた。 物体は動かず、彼の問い掛けにも答えることはなかった。…

Eの場合

「見てくれよ」とEが声を漏らした。 彼は右手の指を僕へ突き出す。 爪が万年筆の先っぽの様に尖っていた。 「何があった?」と聞くと、Eは「もうTは無理だよ。恋が終わった」と言った。 でも、彼の恋は始まっていなかった。ただの想いでしかなかったから。 …

Lの話

最近、桜の木が脳みその手前にふわっと浮かぶ。でも、桜への強い想いは見当たらない。お花見をした事はあるし、散歩がてら桜の木を眺めた事はある。しかし、大して心に残っていないみたいで、僕の脳みそには桜の記憶をしまう空間がこれまで無かったんだな、…

3/2/2019

見ず知らずの空気の中で、豚の脳みそと兎の残骸を口へ運ぶ。異国の不揃いな臓物。バナナと蜜柑が飛び交い、空の上でジョギングをする初老の男がいる。 大きな赤い提灯と、小さな電飾が引っ付いた看板。どちらも120mlの珈琲カップに勝る価値は無い。2つの景…

22/12/2018

真っ暗闇の中、大きな駐車場に居た。 そこにあるのは砂利道と、風、小さなトイレと自動販売機がいくつか。 そこで休む人達と悪者が数人。 僕は悪者を車で轢く。 轢いた後、彼等の身体は小さくなって、クッキーやコインになる。 僕は悪者が居なくなった事を他…

19/12/2018 知らないくらいでちょうどいい

「やっぱりさ、LoBは呑めない女じゃダメなの?」 Aの眼がしっかりと座っているので、完全に酔っ払ったのが分かる。 「いや、僕は呑めなくても良いよ。でも、君は?男は自分と同じくらい呑めないと気が済まないんだろ?」 「ははっ、わたしはねー」 なんでい…

17/12/2018

先日、BARでお酒を飲んでいると落語好きな方がいらっしゃった。狭いカウンターだったので、僕の隣に落ち着いたんですね。 「師走だから、芝浜でも久々に聞きたいねぇ」とマスターが落語の話を始めると、意気揚々と口から良い声が出て、話に花が咲いている。 …

15/12/2018

「その首、痒くないの?」と彼女が僕に言ったのは歩き続けて長い時間を失ってからだった。 「確かにずっと痒くてね。さっきから耳の付け根が赤くなってる気がするよ」 「そりゃそうでしょうね。そんなに大きな蜘蛛を肩にのせているんだから」 右肩を見ると、…

29/11/2018 ガーネットと常夜灯

「秋の四辺形から左に向かって進んでいきます。天の川の帯が二手に分かれているのがわかりますか?この辺りの白い靄をこれから一緒に見てみましょう。まずは220倍の望遠鏡で。」 「おお!すごい。プラネタリウムなんて必要ないですね」 「いつもこうでは…

Tの場合

「大切な人を囲う必要があると思うんです」 彼女はビールグラスをカウンターテーブルの端へ退かし、両の手で大切な者達を示した。 「つまりですね、ここからここまでが関わり合いを続けていたい範囲だとします」 シュッ、シュッ。テーブルへと振り落とされる…

18/12/2016

大切なものは無くして初めて気付くこともありますが、無くなった時に感謝の気持ちを込めて見送るだけの日もあります。 その対象が、人間では無いというだけで幸いです。 お疲れ様、僕のウサギちゃん

16/12/2016 気持ちの問題

唐突ですが、ハンバーガーが好きです。フライドポテトも好きです。 好きな食べ物がセットで食べられる場所。ハンバーガー屋さん。そりゃもう素敵な場所です。 「じゃハンバーガーの銘店を沢山知ってるんだね?」 と言われると、そりゃーもう、全然知りません…

12/8/2016 ちびちびと。

素朴な疑問なのだけど、「カッコイイとは何?」なのか。 昔からちゃんと考えた事も無いし、言われる事もあまり無いから野放しにしていたけれど、ふと気になった。 数日前からいただき物のブランデーをちびちび飲み始めた。ウイスキーなら一日中でも飲めるけ…

10/8/2016 選択と後悔

先日、親しくしていたAがインドへ渡った。 彼女が仕事で其処へ向かう前に、僕は彼女に幾つかの話をして、最後は彼女が遠くへ行く事を僕自身も望んでいるという話をした。彼女の欲したものが微かに見えた気がしたから。インドである必要は今でもわからないけ…

24/5/2016 空が青いのは、とりあえず疑う

大事な人に電話をかけていた。受話器の側で僕の唾液が絶え間無く波打っている。何もない草原に電話が1つ。そして、青いシーツがある。スカイブルーとコバルトブルーを組み合わせたシーツと青と白の合間から注ぐ熱線を巻き添えにしているAがいる。青と白と光…

2/4/2016

3匹とも、装飾音