LobLoy’s diary

現実日記・妄想日記・夢日記

嗜好のルール

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僕はルールを作るのが好きだ。
 
特別な条件の下で行動を制限したり、能天気な自分を少なからず補正し、人と出会い話す場合がある。
 
僕はよくBARに通っていた。
 
BARというのは、お酒を呑む為に、数多くのルールを背負わなくてはならない。
 
どこもそうだってわけじゃないけれど、席には案内してもらうまで座ってはいけない。座ってから、カウンターには肘をのせてはいけない。無闇に他のお客さんと話してはならない。女性を無闇に口説いてはいけない。何より酔っ払ってはいけない。
 
様々なBARに様々なルールがある。
 
少なからずルールがある世界。その中で行動することが、本当は最大限に楽しめたりする。
 
酔っ払って迷惑をかけないとか、記憶を無くさないというのは、その意識の高め方がその時間をより楽しくするものだと思う。
 
僕がBARでの女性に対するルールとして、お酒を呑んでいる女性を口説く(相手から口説かれる)のは絶対にしない。
 
これはお店のルールではなく、僕自身のルールだ。
 
お酒を呑んでる女性を口説くのは趣味じゃない。その時間、その場所で呑んでいるのには、それなりの理由があったりする。
 
例えば、クリスマスイブに「携帯電話の番号を教えて欲しい」という女性は、マティーニを呑みたかったのではなくて、マティーニのあるお店で、BARという現実から少し離れた場所に身を置くための時間を買っている事もあるのだから。
 
「お酒を呑んでいない時に、またお会いしたい。その時に同じ話をしませんか?僕は良くこのお店に居ますから」と彼女に告げる。
 
しかし、再び巡り合ったことは悲しいことにこれまで1度もない。
 
翌朝、彼女は普段の彼女に戻るのだろう。
マティーニが誰かとの関係を運命付けようとしていたかもしれない。そんな僅かな記憶が脳みその左上へ残っている事もあるだろう。
 
もしかしたら、僕が存在した記憶なんて、目覚めた彼女にはないだろう。朝の彼女に必要なのは、王子様じゃなくて、顔を洗う為の冷たい水かもしれない。
 
どこかの夜で、彼女は再び、王子様探しの続きにとりかかる。
ちょうど僕は、運命を微かに意識する。上手くいけば白くなる馬から降りようか迷っていたりするわけだ。