LobLoy’s diary

現実日記・妄想日記・夢日記

「必要としているなら」

「紹介しようか」と職場の人に言われ、その言葉にお祭り騒ぎな僕ですが、好きな女性のタイプに深津絵里を挙げて神輿が暗礁に乗り上げました。

こんばんは。ロブロイです。in成田空港

おかしな話です。東京に住んだら絶対に深津絵里とか銀座線でバッタリ会えると思ってました。「会えないの何で?ねえどうして?」って言っていたら、危うくお祭りが頓挫するところでした。

「そんな人には紹介できません!!」

「そうだね。ごめんなさい。僕が間違っていたよ。深津絵里ナタリー・ポートマンの2択で」

「テレビ局にでも行きなさいな」

「嘘!嘘です。いや嘘じゃないけど。理想。理想です。ブラックスワンはテレ東にいないよね。あ、変形するのはどこの局か」

ブツブツ……ブツブツ……

本当に紹介はあるのかなと思いつつ、少し古い記憶を招いた。

考えてみたら、僕は女性を紹介された事って一度しかない。それは16歳の頃。その子は僕が初めて付き合った女性だ。大人びていた子で、良く大学生に間違えられていた。肌は白く、髪が胸の下まで伸びていて、少し冷たそうな目をしていた。彼女は自分の目を僕の目と取り替えたいと時々言った。僕はどうして左右の胸の大きさが違うのかを何度も聞いた。彼女がその理由を心臓の所為にしてしまうのが好きだった。


初めて出会ったその日の夜は、僕の部屋に居た。

「私ね、あなたは全然タイプじゃない」

と彼女は言った。

出会ってから1時間もしないくらいに。

「良いね。僕も全然タイプじゃない。でも今の言葉で惚れてしまったから付き合おう」

と僕は言った。

「変な人」と言って、彼女は笑った。


成田空港からタイへと向かう出発便を確認する事にした。そこで僕は過去に触れるのをやめた。

気が付くと紹介の秤が僕の前に居た。僕の顔写真を相手に送るそうだ。紹介される事を認めてもらうために。最近の恋に至る過程にはいくつかの審査がある事を知る。なんにせよ成田空港で疲れ切っている僕の顔を見ても「大丈夫」と言ってくれる子はきっと素敵なお嬢さんだろうなと思う。さて、あとはいつ会うかだ。

それにしても……

どうしたものかな。全然面白くない。何だか祭りは知らぬ間に終わってしまったみたいだ。もうタイプなんてどうでも良いのだから。素敵なお嬢さんが素敵かも気にならない。花火は取り止めになった。映画のようなローマにある無数の愛が消えていくのを妄想した。

「大丈夫だ」という返事が届く。

でも、僕はその言葉が通り過ぎるのを待っていた。誰に向けて言ったのかもわからなかった。

青い頃のあの感じに僕はもう包まれていた。あの人の香水の匂いを瞳の裏でわざわざ用意してしまう。もし彼女の姿が現れる場所に扉が用意されているなら、僕はその扉をたった今閉めるはずだ。必要としていないわけじゃないよ。それは本当だ。僕は出会いたくなってしまったんだと思うから。でも、きっとこういう感じではない。誰に向けて言ったのかはちゃんとわかっている。

「やっぱりやめとくよ」と僕は言った。





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