11/5/2015 明日の朝までなら

出張でホテルに2泊3日で泊まることになり、フロントで2部屋分のチェックインを済ませることにした。

 
「これで大丈夫ですか?もう1人は車で準備をしているのですが」手元の鉛筆を元の位置に戻しながら僕は言った。
 
「はい。結構です。あ、お連れ様の分も書いて頂いてよろしいですか?」と主人が言う。
 
「ええ。大丈夫ですよ」と僕はもう一度、記帳に戻る。
 
「ではお名前だけで結構ですよ」
 
「へ?」
 
というわけで、
僕と同僚の女性は苗字が一緒なのだけど、泊まる部屋も別で、領収書の宛名を会社名にしているにも関わらず、夫婦だとよく勘違いされる。
 
つい先日、彼女は婚約をして、旦那様を僕に紹介してくれたばかりなのだけど。
 
「書くのが面倒になってしまったから、今日は僕の奥様になってもらったよ。悪いね」とフロントにたどり着いた彼女に言う。
 
「いいわよ。明日の朝までなら」と彼女は言った。
 
明日の朝までなら、という響きにほんの少し僕の心は掴まれた事を、とりあえず秘密にしておいた。
 
 
 
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