11/7/2015 ロブロイねこ座を探す

 
「ロブロイさん、外にも出られるよ」
 
「露天風呂か、良いですね」
 
露天風呂へと向かう。
 
そこは山間の温泉。
 
木々に囲われ、鳥達が石壁の上でオブジェの真似事をする。少し離れた所にそれを羨む鹿がじっとこちらを見つめている。僕らはそこにいる生き物の一種になる。僕の隣には小肥りの猿がいる。きっとその猿は、僕なんかよりずっと長いこと生きてきたはずだ。猿の視線の先を追う。僕達より遥かに長い時を過ごした緑があるのに気づかせてくれ……
 
というような事を、12秒くらい妄想した後に扉を開けると真っ暗だった。景色には山の輪郭すら居なかった。
 
21時前。夜なのだから当たり前だけど。
 
「真昼間が一番気持ち良いんだけどね」と、Cさんが少し残念そうに言う。
 
「仕方ないですね。夜だから。でも、良いんです。夜も良いもんです。僕は空を見る癖があるから」
 
「ああ!そうですね。星を見ながらってのも悪くない」とCさんが笑顔で言う。
 
仕事は終わり。ここはお風呂。どうでも良い事を話しましょう。月も見えない空は、星がうるさくて良いもんです。
 
 
 
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