27/9/2015 右腕女が復讐した

 
安定の遅刻時間30分と、曇空に昨夜の雨を従えて、彼女は復讐をする。
 
というわけで、彼女の復讐計画に従い(手記「骨董市に行こうじゃないか」より)2週に渡って骨董市、フリーマーケットと古びた良き物を求めて徘徊することになった。
 
やってきたのが、新宿。
 
「今日はいける!まずあなたがいつも通り遅刻をしてきてる!そして、やっぱり私が居るから空は晴れない!そして、こうやってお昼を何処で食べようかも決めてない!行き当たりバッタリ感!今日はかましてやりますよ!!!」
 
「はーい」
 
遅刻をすると喜ばれる良い世の中になった。
 
当初、新宿方面のフリーマーケットを目指していた。新宿で蕎麦を食べている最中に、わざわざ表参道に行くことになる11時30分。国連大学前のファーマーズ・マーケットで専ら西洋アンティークを眺める計画が、行き当たりばったりに決定した。
 
僕は特に何も買わなかった。
彼女は悩んだ末、1800年代に作られた陶器製の人形の右腕を買っていた。
何に使うのか訊いてみたら、右腕を箱に閉まいこんで、時折出しては右腕を眺めるということに幸せを見出せるそうだ。
 
マーケットを見尽くしたのが、14時40分。
右腕女の復讐は案外早くに終わった。
 
青山学院大学の片隅にある喫煙所で、次なる行き当たりの場所を考える。……聖蹟桜ケ丘。
 
(また明大前に……)
 
15時過ぎに街を訪れた。
 
耳をすませば」の巡礼を行う事になったわけだが、いろは坂を登っている最中、右腕女がモチーフの街にいちゃもんをつけている。
 
「きついわー。バス乗るしかないわー。こんなんとは思わなかったわー。効くわー。ぐわー、ぐわー」
 
「頑張って上りなよ。一生の中にもう一回来ることはないだろ」
 
「たしかに」
 
と言っても最後まで、ぐわーぐわー言ってた。最初で最後の聖蹟桜ケ丘の巡礼は右腕女が煩かったという記憶で満たされた。
 
「今日の絵日記を付けるのは簡単よね。あんな坂を歩くなんて『最後はドMの街でした』よね」
 
「復讐もして、報復もされただな」
 
「ごもっとも」
 
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