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LobLoy’s diary

現実日記・妄想日記・夢日記

Aさん、ご出身はこの銀河ではありませんよね?


『ねぇ、ロブロイさん』とAさんが静かに僕の名前を口から溢した。その声音が何かの疑問符を添えようとしているのに気付いて、僕は返事の代わりに「どうしました?」と聞き返した。

『どうして人間だけが言葉を使うと思いますか』

「へ?」

僕の予想した疑問符とは色合いの違う質問だったので、ワイングラスを掴む指先も、右手から首元への緊張も途絶え、肩の力が抜けた。

『私はいつもどうしてなんだろうと昔から考えていて、色々な人にこの質問をするんです。ロブロイさんはどう思いますか。人間だけが言葉を話しますよね』

僕らのことでは、なく我々の話だった。

「愚かだから、じゃないですか」

『愚か?人間が?』

「えぇ。生き物の中で、最も愚かな存在だから。人は生きることの理由を探してます。多くの動物が人生について理論付けを持ち込んでいない。生きる為の方法を遺伝子に備えている。小さなリスだって、冬支度をする。生きていく為にどうするかを心得ているから。人間は簡単なこともややこしくする。ただ生きることも。愛についても考えなくちゃいけない。経済についても考えなくてはならない。言葉を使っても、その中で使う言葉を更に考えなくてはいけない。人は愚かで弱いから、言葉が必要で武器を持たなくてはいけない。生き物の中で、最も弱く愚かだから言葉がある、のかなと」

『ロブロイさんの答えは、今まで聞いたことなかったです。ふむふむ。なるほど』

「Aさんは、どうして人間だけが言葉を使うと思うのですか?」

『よくぞ、聞いてくれました。私の答えですが……人間は宇宙人だから!です』

「宇宙人!!??」

『はい。昔から謎なんです。人間は猿から進化したのでしょう?でも、動物園の猿は進化しません。山に棲む野生の猿も進化して、言葉を喋ることもないし、人間に姿形が近付いてきたりしません。だから、元々、人間は猿なんかじゃないと思うんです!そうすると人間だけが地球で言葉を喋るってあまりにもおかしい。地球に元々居た存在なのかなと疑問が湧きました。だから、私の予想では人間は遠い宇宙から来た宇宙人だと思うわけです!』

僕はスタートレックの船内で哲学をしているチューバッカになった気分だった。キルケゴールは連れて来れない場所にいる。

「Aさん、ご出身はこの銀河ではありませんよね」

『はい。私は元々ものすごく遠い別の銀河にいる宇宙人だと思います!私はこの話をするといつも変な人扱いされるんですが、やっぱり変ですか?』

「同じ人間なんて居ません。みんなが変わってます。Aさんは僕とも全く違うけれど、迷惑な変じゃないと思うよ。とても面白いです。考え方のタイプが違くて、見た目は同じ人間だから、僕たちは隣の銀河同士かもしれませんね」

『あははっ、そうですね。この脳みそを許容してくれる人は少ないです!』

「それは、また別の話です」



乾杯。別銀河の人達に。





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