LobLoy’s diary

現実日記・妄想日記・夢日記

可愛いは、強い


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仕事が午前中に片付いたので、しゃちほこを盗む気合を左胸に抱え、名古屋城を散策することにした。

天守閣を目指して歩いていると、途中に本丸御殿の入り口に辿り着く。

「もうすぐ閉館で見れなくなりますよー。どうぞ、見て行ってくださいな」

とお姉さんに誘導され、とりあえず真新しい中へ。

名古屋城の本丸御殿は、過去の戦争によって焼失したわけだが、当時の資料に基づき復元が今日にも行われている。工事中の騒音犇く御殿内で、復元された各部屋を眺めていた。名古屋城のスタッフさんは親切な人が多く、観光者が部屋の造りや用途について質問が飛び交うのにも速やかに応じる。僕はツアー客達の後部でその説明を掻い摘んで聞いていた。

気に入ったのは、最初の部屋。

扉一面に虎が描かれている。
どの虎も威厳がなく、どちらかと言えば、少し大きめの猫の様に見える。

かわいい。

「この虎はですね、想像の虎なんですよ。この時代には本物の虎を見ることが出来なかったんです。虎はこういう姿だという想像で描いているんです」

僕が虎を眺めている間、全く同じ台詞が3回聞こえた。

想像でという事は、獣の勇ましさをより一層表現出来たはずだろう……とか台詞を聞きながら考えていたけれど、猫のしなやかな身体はそのままに、わざと描くことにしたのかもしれないなと考え直した。

この時代は、きっと粋な時代なんだろうな。その当時の人々が作った展示品を眺めると、紋様の1つにしても機械にはない美しさがある。粋な人間達には単なる剛の強さではなく、ここに描かれた虎に映る柔の様な強さの方が似合っているよな……とか考えていたけれど、

ま、何よりかわいいは強いよね。




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