24/5/2016 空が青いのは、とりあえず疑う

f:id:LobLoy:20160524213650j:image
 
大事な人に電話をかけていた。受話器の側で僕の唾液が絶え間無く波打っている。何もない草原に電話が1つ。そして、青いシーツがある。スカイブルーとコバルトブルーを組み合わせたシーツと青と白の合間から注ぐ熱線を巻き添えにしているAがいる。青と白と光の帯が螺旋を描いて、Aの傍で唸りをあげている。僕はAを助けようとして、電話をかけ続けている。かけている先は彼女なのかどうかはわからないとも思った。しばらく助け出す方法を考えることにして、それでも受話器は耳元から下さなかった。そこではその電話だけが全てだと思ったからだ。でも気が付いた頃には彼女は真っ暗闇の中に堕ちていた。
 
そこがどんな場所にせよ、彼女の姿を見て安堵した束の間、光の渦は僕を囲んでいた。逃げることもできないと思える程に大きくなっていった。もう誰かを呼び寄せる必要もないし、Aを助ける必要も無くなった。唸りが僕を囲い、誰の姿も見えない。誰も僕を見つけることはできないのだと悟る。
 
僕は受話器を置く。とりあえず珈琲が飲みたいと思った。