読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LobLoy’s diary

現実日記・妄想日記・夢日記

眠ったかいち

f:id:LobLoy:20160816184232j:image

 

「手紙を書くことなんて、しばらくないな」
と宛名もない額縁の絵葉書を覗きながら思った。

数年前まで僕は手紙をよく書いた。
理由は様々だったけれど、毎月数枚の便箋が誰かの手元へ渡った。

いつからなのかはわからない。
いつのまにか僕の便箋の束は眠り始めた。
大切な人へ一時の想いを宛てたものから、
友人へ自分の観た夢について綴っただけのもの。
意義があったり無かったりした手紙の数々は何処へ向かったのか今では思い出すのも難しくなっている。
未だに僕の書いた手紙を保存している友人もいるらしいので、もっと洒落た手紙に書いて渡せば良かったなと思ったりもする。

小さな部屋に絵葉書が無数に飾られている。
灰色のカーテン。
それを眺めて、手紙の軌跡が回想を促す。
絵葉書に書く言葉は今の僕には見当たらない。
美しいそれを贈る相手の顔も浮かんでは消えた。