真紀の場合

 

愛する人がいて、愛される人がいて、どちらかと言えば貴方は後者ですよ。貴方が誰かを愛していると言っても、きっと相手は貴方よりも自分の方が愛しているのだと感じているはずです。
自分の方が愛していると考える人は、それをずっと絶やさず示し続けなくてはならないと考えます。いつか愛されなくなるという不安があるし、その不安を消すために。もっと、もっとって捧げれば、今以上の愛情が自分に対してもいつか降ってくるようになると希望も抱いてしまう。そんな風に考えたことってありますか。……きっと、貴方と顔を突き合わせる度に、皆んなそう思っていたのだと思います。これまで、ずっとそうだったんじゃないかなって私は思います」

 

f:id:LobLoy:20191207115930j:image