レーズン・ラム

人は唐突に熱が出た場合、薬を飲んで楽になると、まだまだ今日はいけるなと思って、クイックルワイパーを乾拭きとワックス両方やってしまう事がある。

しかし、問題は綺麗になった床の上で寝そべって、冷たくて気持ち良いなぁとか言って、漫画を読んでる合間にダージリンを飲みながら、そこにウィスキーを垂らしてみてはどうなのか?って考えが浮かんだ事である。

だが、しかし、風邪の合間にお酒を飲んでいいことは過去に一度も無かったし、ロキソニンとお酒で泥の様に眠ろうとしても、そんなに長い時間寝れやしないって心得ている。

だから、考慮の余地も介さぬ愚問である。

それでも、頭の中で茶色い液体が、輝いてはグルグルとまわる。

よく分からなくなってきたから、もうキッチンコンロでも磨こうかなって僕は勢いを移し変えようとする。

正直、本当によく分からない。

しかしながら、きっと長期戦になると、また熱が出る。

その頃にはダージリンを飲み干して、ウィスキーをそのまま舌に垂らしてみてはどうか?ってなるんだよな。

そういえば、27歳の頃だったかな。

バーの入口で、僕は占い師のお姉さんと一瞬すれ違った。

彼女は僕の顔を見て、急に笑いだした。

「ごめんなさい。少し驚いて。あなた、随分と心が幼いわね」と彼女は言った。

僕の魂は、あれから何歳になったのかな。

18歳くらいになったのだろうか。

あの時、何歳か聞いておけば良かった。

お酒はやめて、ラムレーズンにしたらいいかな。アイスをたべ……

いや、待てよ

待て。待つんだ。考えろ。俯瞰するんだ。

逆にしたら、良いんじゃないか?

ラム酒のストレートに、レーズンをぶち込んだら良いんじゃないか?

いける。いけるよ、これは!

レーズン・ラムだ。

ラム酒を飲みながら、同時にレーズンも食べられる。ここにチョコとかも入れたら、味も2パターンになる。

もうこれ、タピオカ・ミルクティーみたいなもんじゃんね。やばいなー、ワクワクしちゃうな。

そっか。なるほどな。

占い師のお姉さんが言ってるの、これか?

 

P.S.

えーと、味なんですけど、

やっぱり別々で、口に入れた方がいいです

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