Bijoux

 

 

キラキラしていると思った。

ずっと不思議そうに見ていたら、母が僕に「どうしたの?」と聞いた。

キラキラしたものがあると言うと、母は一つ一つ、説明してくれた。

「赤いのはルビー、青いのはサファイヤ、緑色はエメラルド、黄色のがトパーズ。キラキラしているだけなのがダイヤモンド。石なのよ」

それから、母が石の図鑑を買ってくれた。ブラックオニキスや、ターコイズの様にキラキラしていない石がある事を知る。石を削るとキラキラするのも理解した。

家のすぐそばにある砂利道で、丸い石を集めて、母に渡した。母が石を好いていたのかは分からないけど、きっとそれが喜ぶものだと子供ながらに感じたのだと思う。

母の誕生石はダイヤモンドだった。僕が石に興味をもってからは、ダイヤモンドを買う事はなかった。

僕の記憶ではアメジストや、ムーンストーンの指輪やネックレスが多かった。アメジストは僕の誕生石だ。ムーンストーンは月から取ってきた石なのだと勘違いして興奮している僕を、母が面白がって買ったものだ。どちらも大して高価な石ではないけれど、母はダイヤモンドの代わりにその2つを好んで身に付けた。

母が亡くなった時、宝石箱にあったムーンストーンを見て不思議な感覚があった。

その時にはそれが何なのか分からなかった。でもふと思い出して、今の僕には何故か色々な愛が端的に説明できてしまう様な気がした。

 

 

 

 

 

 

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